研究計画
令和4年度 研究主題
主題設定の理由
令和3年、中央教育審議会答申は「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させ、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善につなげると示しました。
名古屋市社会科同好会では、平成29年度から学習指導要領で示された主体的・対話的で深い学びの実現に向けて、実践を進めてきました。さらに今年度、中学校では全中社研名古屋大会が開催されるため、一昨年度から、全中社研名古屋大会と同じ「人間の生き方を問い続ける社会科学習」を研究主題として設定し、研究を進めてきました。
私たちの社会は、今後より多様な価値観が存在する社会になると予想され、子どもたちは、「多様化する社会」を生きていくことになります。そして、多様化する社会の中で、よりよい社会を他者と共につくり上げようとする意欲や態度を育てるためには、課題解決に向けて粘り強く協力しようとする姿勢を失わないことが不可欠です。このような姿勢は、人間の生き方を問い続けることにつながっていくため、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させることで、身に付けていくことが必要だと考えます。
上記の考え方を受けて、今年度は、2年間続けてきた研究主題「人間の生き方を問い続ける社会科学習」の集大成と位置付け、同じ研究主題を設定します。そのために、子どもが多様化する社会を捉え、人間の生き方を問い続けることができる「教材化の工夫」と、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させた「学習活動の工夫」の2点を重視して研究を進めていきます。
目指す子どもの姿
「多様化する社会」の中で自分の考えをもち、他者の考え方を認めることを通じて、共に「よりよい社会」をつくろうと協力することができる子ども
教材化の工夫について | 昨年度、中学校部会で示されていた3点の教材化の要件を、小学校部会でも明確にして実践に取り組みました。小学校・中学校の各分野間で統一した要件のもとで、教材化の工夫に取り組むことで、子どもたちは「多様化する社会」と自らのつながりに気付き、今日的で身近な課題を捉えることができました。そこで、今年度も、以下の3点を教材化の要件として示すことで、小・中が統一した要件のもとで、教材化の工夫に取り組むことができるようにします。 |
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学習活動の工夫について | 昨年度、小学校段階では、これまで小学校部会で培ってきた3段階の学習段階「つかむ」「調べる」「まとめる」を生かし、よりよい社会の実現に向かう「新たな課題」に出合う「つなぐ」段階を設定しました。また、中学校段階では、一昨年度同様、学習段階を「とらえる」「考える」「認め合う」「つなぐ」段階を設定しました。これにより、小学校・中学校の子どもたちは、それぞれがよりよい社会の実現に向けて、自分の考えをもつことができました。 |